2026年8月28日

健康診断や自宅で血圧を測ったときに、
「上の血圧が150だった」
「160を超えたけれど病院に行った方がいい?」
「180や200まで上がったら救急車を呼ぶべき?」
と不安になったことはありませんか?
血圧は一時的に上昇することもあるため、1回の測定値だけで高血圧と診断されるわけではありません。
一方で、血圧が150・160・180・200mmHgと高くなるにつれて、医療機関への相談の必要性も高くなります。
特に、非常に高い血圧とともに胸痛・息苦しさ・手足の麻痺・意識障害などがみられる場合には、緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。
この記事では、「上の血圧」を中心に、150・160・180・200mmHgではそれぞれどのように考えればよいのか、病院を受診する目安について解説します。
この記事のポイント
・診察室で140/90mmHg以上は高血圧の基準です
・血圧150mmHgが続く場合は、高血圧として経過を確認する必要があります
・160/100mmHg以上では、早めに医療機関を受診しましょう
・180/120mmHg以上は非常に高い血圧であり、特に症状を伴う場合は緊急性があります
・血圧200mmHg前後が続く場合は、症状がなくても自己判断で放置しないでください
・1回の血圧だけでなく、家庭血圧を継続して記録することが重要です
そもそも血圧はいくつから高血圧?
日本高血圧学会では、医療機関で測定する「診察室血圧」が、
上の血圧(収縮期血圧)140mmHg以上
または
下の血圧(拡張期血圧)90mmHg以上
の場合を高血圧の基準としています。
つまり、
「上が140以上だけれど、下は正常だから大丈夫」
というわけではありません。
上または下のどちらか一方でも基準を超えていれば、高血圧に該当する可能性があります。
年代別の血圧の目安や、「年齢が上がれば血圧が高くても正常なの?」という疑問については、以下の記事で詳しく解説しています。
【血圧の正常値は?40代・50代・60代の目安と「基準がおかしい」と言われる理由】
また、上の血圧はそれほど高くないものの、下の血圧だけが90mmHg以上になる方もいます。
【下の血圧だけ高いのはなぜ?拡張期血圧90以上の原因と受診の目安を解説】
血圧150・160・180・200の受診目安
上の血圧だけを大まかな目安として見ると、次のように考えることができます。

ただし、血圧の数字だけで「救急」「通常受診」を機械的に決めるわけではありません。
血圧の高さに加えて、症状や持病、急性の臓器障害が起きていないかを確認することが非常に重要です。
血圧150mmHgは高い?病院に行くべき?
上の血圧が150mmHgの場合、診察室血圧では高血圧の基準である140mmHg以上に該当します。
例えば、
150/80mmHg
の場合でも、上の血圧が140mmHg以上であるため、高血圧の範囲です。
ただし、1回150mmHgになっただけで高血圧と確定するわけではありません。
血圧は、
・緊張
・睡眠不足
・ストレス
・運動直後
・寒さ
・喫煙
・飲酒
・カフェイン
などによって一時的に上昇することがあります。
そのため、まずは自宅でも血圧を測り、普段から150mmHg前後なのかを確認することが重要です。
日本高血圧学会では、140~159/90~99mmHgの場合、生活習慣を見直し、それでも血圧が下がらなければ医療機関への受診を勧めています。また、早めに医療機関へ相談することも推奨されています。
「血圧150程度なら年齢的に普通だろう」と自己判断して放置するのはおすすめできません。
特に健康診断でも繰り返し150前後を指摘されている方は、一度内科・循環器内科へ相談しましょう。
血圧160mmHgは早めに受診しましょう
上の血圧が160mmHg以上になると、さらに注意が必要です。
日本高血圧学会では、
上の血圧160mmHg以上、または下の血圧100mmHg以上
の場合には、速やかに医療機関を受診することを勧めています。
例えば、
・160/85mmHg
・165/95mmHg
・170/105mmHg
といった血圧が続いている場合には、「もう少し様子を見よう」と長期間放置せず、医療機関へ相談してください。
特に、
・糖尿病
・慢性腎臓病
・心臓病
・脳卒中の既往
などがある方では、高血圧による影響をより慎重に考える必要があります。
高血圧は自覚症状がほとんどないことも多いため、「体調がいいから大丈夫」とは限りません。
血圧180mmHgは危険?
上の血圧が180mmHg以上の場合は、非常に高い血圧です。
この程度まで血圧が上昇している場合には、まず正しい方法でもう一度測定してください。
血圧測定の際は椅子に座り、会話をせず、1~2分程度安静にしてから測定します。日本高血圧学会も、家庭血圧は安静後に測ることを推奨しています。
再度測っても180mmHg以上が続く場合は、自己判断で長期間様子を見るのではなく、速やかに医療機関へ相談しましょう。
特に、
180/120mmHg以上
という著しく高い血圧に加えて、脳・心臓・腎臓・大血管などに急性の障害が起きている状態を「高血圧緊急症」と呼びます。
高血圧緊急症では、迅速な診断と治療が必要になります。
血圧200mmHgなら救急車を呼ぶべき?
血圧が200mmHgだからといって、数字だけで必ず救急車が必要と決まるわけではありません。
しかし、200mmHgは明らかに非常に高い血圧です。
まず安静にして正しい方法でもう一度測定し、それでも200mmHg前後が続く場合には、症状がなくても速やかに医療機関へ相談してください。
一方、200mmHg前後の血圧に加えて、
・強い胸の痛み
・胸から背中にかけての激しい痛み
・強い息苦しさ
・意識がもうろうとする
・けいれん
・突然、手足が動かしにくくなる
・顔や手足の片側が麻痺する
・ろれつが回らない
・今まで経験したことのない強い頭痛
などがある場合には、脳卒中、急性心不全、急性冠症候群、大動脈解離などの緊急疾患が隠れている可能性があります。
このような場合には、通常の外来診療を待たず、救急要請を含めた緊急受診を検討してください。
高血圧緊急症は「血圧が高いこと」だけではなく、急性の臓器障害を伴っているかどうかが重要です。
血圧が急に高くなったときはどうすればいい?
自宅で突然高い血圧が出ると、焦って何度も続けて測りたくなるかもしれません。
まずは落ち着いて座り、1~2分安静にしてからもう一度測定しましょう。
血圧を測るときは、
・椅子に座る
・足を組まない
・腕を心臓と同じ高さにする
・測定中は話さない
・直前の喫煙、飲酒、カフェインを避ける
など、できるだけ同じ条件で測定することが重要です。
また、自己判断で降圧薬を追加したり、他の人の薬を飲んだりすることは避けてください。
普段飲んでいる降圧薬がある方で血圧が急に上昇した場合にも、主治医へ相談しましょう。
血圧が高くても症状がなければ大丈夫?
高血圧では、血圧がかなり高くても自覚症状がないことがあります。
高血圧が「サイレントキラー」と呼ばれることがあるのは、そのためです。
症状がないまま血管に負担がかかり続けることで、
・脳卒中
・心筋梗塞
・狭心症
・心不全
・慢性腎臓病
などのリスクが高くなります。
「頭痛がないから大丈夫」
「体調はいつも通りだから問題ない」
という判断だけで高血圧を放置しないことが重要です。
芦屋ながさわ内科では、循環器専門医が高血圧だけでなく、高血圧によって影響を受ける心臓や血管の状態も含めて診療しています。院内には心電計やエコーなどの検査設備もあります。
40代・50代でも血圧150・160なら注意が必要です
40代・50代になると血圧が上昇してくる方は少なくありません。
しかし、
「40代なら150くらい普通」
「50代になれば血圧が高くなるのは仕方ない」
と考えるのは適切ではありません。
高血圧の診断基準は、基本的に年代ごとに150や160へ引き上げられるわけではありません。
既存の記事でも、40代・50代・60代それぞれの血圧について詳しく解説しています。
【血圧の正常値は?40代・50代・60代の目安と「基準がおかしい」と言われる理由】
特に40代・50代は、将来の脳卒中や心臓病を予防するという意味でも、血圧管理を始める重要な時期です。
女性は更年期から血圧が高くなることがあります
40代後半~50代の女性では、更年期の時期に血圧が上がってくることがあります。
女性ホルモンの変化に加え、
・体重増加
・睡眠不足
・ストレス
・運動不足
・塩分の多い食生活
など複数の要因が重なることがあります。
ただし、「更年期だから血圧150でも仕方がない」ということではありません。
40代・50代女性の血圧上昇については、以下の記事で詳しく解説しています。
【高血圧の原因は?40代・50代女性特有の理由と生活習慣の関係を解説】
血圧150・160なら薬を飲む必要がある?
血圧が150・160だからといって、数値だけで一律に「薬を飲む・飲まない」を決めるわけではありません。
治療方針を決める際には、
・家庭血圧
・年齢
・血圧の高さ
・糖尿病
・脂質異常症
・腎機能
・喫煙
・肥満
・脳卒中や心疾患の既往
などを総合的に評価します。
生活習慣の改善から始める場合もあれば、心血管リスクが高い場合や血圧が高い場合には、降圧薬による治療を早めに開始することもあります。
高血圧の治療について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
血圧を下げるために見直したい生活習慣
血圧管理では、薬だけでなく生活習慣の改善も重要です。
代表的なのは、
・塩分を控える
・適正体重を維持する
・定期的に運動する
・飲酒量を見直す
・禁煙する
・睡眠時間を確保する
などです。
高血圧の原因にはさまざまなものがあります。
「なぜ自分の血圧が高くなったのか」を知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
家庭血圧を記録して受診しましょう
健康診断や病院で血圧が高かった方は、自宅でも血圧を測ってみましょう。
家庭血圧は、高血圧の診断や治療方針を決めるうえで重要な情報になります。日本高血圧学会も家庭での血圧測定を推奨しています。
できれば朝と夜に測定し、
・日付
・測定時間
・上の血圧
・下の血圧
・脈拍
などを記録してください。
受診時に血圧手帳やスマートフォンの記録を持参すると、普段の血圧を医師が判断しやすくなります。
血圧が高い場合は何科を受診する?
血圧が高い場合には、内科または循環器内科を受診してください。
特に、
・血圧150以上が繰り返し続く
・160以上になっている
・180以上を記録した
・降圧薬を飲んでも高い
・動悸や胸痛、息切れがある
・糖尿病や脂質異常症もある
という方は、一度医療機関へ相談しましょう。
また、健康診断で高血圧と一緒に血糖値やコレステロールなども指摘された場合には、複数の生活習慣病をまとめて確認することが重要です。
よくある質問
血圧150はすぐ病院に行く必要がありますか?
1回150mmHgになっただけで緊急受診が必要になるケースは多くありません。
ただし、150mmHgは高血圧の基準を超えています。家庭血圧を測定し、繰り返し150前後になる場合には医療機関へ相談してください。
血圧160なら病院に行った方がいいですか?
はい。日本高血圧学会では、上の血圧160mmHg以上または下の血圧100mmHg以上の場合、速やかな医療機関への受診を勧めています。
血圧180でも症状がなければ大丈夫ですか?
症状がなくても180mmHg以上は非常に高い血圧です。
正しい方法で再測定し、それでも180mmHg以上が続く場合には速やかに医療機関へ相談してください。
血圧200なら救急車を呼ぶべきですか?
200mmHgという数字だけで必ず救急車が必要とは限りません。
ただし、胸痛、呼吸困難、意識障害、片側の麻痺、ろれつが回らない、激しい頭痛などを伴う場合は緊急性があるため、救急要請を含めた対応を検討してください。
下の血圧が100を超えている場合も危険ですか?
下の血圧100mmHg以上も早めの受診が必要な目安です。
下の血圧だけが高い場合については、以下の記事で詳しく解説しています。
【下の血圧だけ高いのはなぜ?拡張期血圧90以上の原因と受診の目安を解説】
血圧150・160・180など高い血圧を指摘された方は芦屋ながさわ内科へ
血圧は毎日変動するため、1回高かっただけで過度に不安になる必要はありません。
一方で、
「毎朝150を超えている」
「最近160以上になるようになった」
「180を記録して不安になった」
「健康診断で毎年高血圧を指摘されている」
という場合には、自己判断で放置せず、一度医療機関へ相談することが大切です。
高血圧は、自覚症状がないまま心臓や血管、腎臓などへ負担をかけることがあります。
芦屋ながさわ内科では、循環器専門医が高血圧の診療を行い、必要に応じて心電図や心エコーなどを用いながら、心臓や血管の状態も含めて評価します。
健康診断の結果や、ご自宅で測定した血圧の記録をお持ちのうえ、お気軽にご相談ください。
記事監修
監修医師:長澤 圭典(ながさわ よしのり)
【資格・所属学会】
・医学博士
・日本循環器学会 循環器専門医
・日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
・日本心血管カテーテルインターベンション学会 専門医
・日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士