2026年9月03日

「毎日6時間くらいしか寝ていないけれど大丈夫?」 「7時間寝れば十分?」
「40代・50代になると睡眠時間は短くてもいい?」
「休日に寝だめをすれば睡眠不足を補える?」
睡眠時間について、このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
必要な睡眠時間には個人差があるため、「全員が必ず8時間眠らなければならない」というわけではありません。一方で、睡眠時間が慢性的に不足すると、日中の眠気や集中力の低下だけでなく、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患などとの関連も指摘されています。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について、個人差を踏まえながら6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
この記事では、理想的な睡眠時間の考え方、6時間睡眠は短いのか、年代によって睡眠時間は変わるのか、睡眠不足が身体に与える影響などについて解説します。
この記事のポイント
・成人は、個人差を踏まえつつ6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています
・「何時間寝たか」だけでなく、朝起きたときに休めたと感じる「睡眠休養感」も重要です
・必要な睡眠時間は年齢や生活環境などによって異なります
・慢性的な睡眠不足は、高血圧・糖尿病・肥満などと関連します
・長く寝れば寝るほど健康によいわけではありません
・十分な時間寝ても強い眠気や疲労感が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群などが隠れていることもあります
理想の睡眠時間は何時間?
「理想の睡眠時間は8時間」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
しかし、必要な睡眠時間には個人差があります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することを推奨しています。
これは「6時間寝れば全員十分」という意味ではありません。
6時間で日中問題なく過ごせる方もいれば、7~8時間程度の睡眠が必要な方もいます。年齢、生活習慣、仕事、体調などによっても必要な睡眠時間は変わります。
そのため、睡眠時間だけでなく、朝すっきり目覚められるか、日中に強い眠気がないか、疲労感が残っていないか、仕事や勉強に集中できるかなども一緒に確認することが大切です。
6時間睡眠では短い?
「平日は毎日6時間睡眠です」という方は少なくありません。
厚生労働省のガイドでは、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。そのため、6時間は一つの目安になりますが、6時間眠れば誰でも十分とは限りません。
例えば、6時間寝ていても、朝なかなか起きられない、午前中から眠い、休日になると昼まで寝てしまう、集中力が続かない、疲れが取れないといった状態が続いている場合には、自分に必要な睡眠時間を十分に確保できていない可能性があります。
大切なのは、必要な睡眠時間を確保したうえで、睡眠によって十分に休養できているかどうかです。
7時間・8時間寝れば十分?
7~8時間程度の睡眠を確保している方でも、「朝起きても疲れている」「日中ずっと眠い」という場合があります。
睡眠は、時間だけでなく質も重要だからです。
厚生労働省は、睡眠時間とあわせて「睡眠休養感」を高めることを推奨しています。睡眠休養感とは、簡単にいうと「睡眠によってしっかり休めたと感じられるか」ということです。
例えば8時間ベッドに入っていても、夜中に何度も目が覚めたり、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったりしていれば、十分な休養が得られていない場合があります。
「睡眠時間は足りているはずなのに眠い」という場合は、単純に睡眠時間を延ばすだけでなく、睡眠の質にも目を向けてみましょう。
40代・50代の睡眠時間はどのくらい必要?
年齢を重ねるにつれて、必要な睡眠時間や睡眠のとり方は変化します。
しかし、「40代になったから5時間でいい」「50代なら睡眠時間が短くても問題ない」というわけではありません。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人について特定の年代ごとに「40代は○時間」「50代は○時間」と一律の時間を定めていません。
成人では、年代にかかわらず6時間以上を目安として、それぞれに必要な睡眠時間を確保することが基本です。
特に働き盛りの年代では、仕事や家事、育児などによって就寝時間が遅くなり、睡眠時間を削ってしまうことがあります。
厚生労働省の検討資料では、日本人の男性30~50歳代、女性40~50歳代で、6時間未満の睡眠の割合が高いことも示されています。
高齢者は長く寝た方がいい?
高齢者では長時間ベッドの中で過ごすことが必ずしも良いとは限りません。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、高齢者について、床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
「床上時間」とは、実際に眠っている時間だけではなく、寝床で過ごしている時間を指します。
必要以上に長く寝床で過ごすと、睡眠の質が低下したり、昼夜のメリハリがつきにくくなったりすることがあります。
高齢になるほど「何時間眠るか」だけでなく、日中は活動的に過ごし、夜に必要な睡眠をとるという生活リズムが大切です。
睡眠不足が続くと身体にどんな影響がある?
睡眠不足というと、「翌日に眠くなる」「集中できなくなる」といった影響をイメージしやすいですが、慢性的な睡眠不足は身体の健康とも関係します。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、極端に短い睡眠時間は、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、認知症、うつ病などの発症リスク上昇と関連することが示されています。
ただし、「睡眠不足だから必ずこれらの病気になる」という意味ではありません。
食生活、運動、喫煙、飲酒、体質などさまざまな要因が関係するため、睡眠も健康管理を考えるうえでの重要な要素の一つとして捉えることが大切です。
睡眠不足と高血圧には関係がある?
睡眠不足は高血圧とも関連します。
睡眠中には自律神経やホルモンなどの働きが変化し、通常は血圧も日中より低くなる傾向があります。
しかし、睡眠時間が不足したり、睡眠の質が低下したりすると、自律神経などを通じて血圧に影響する可能性があります。
また、睡眠時無呼吸症候群では睡眠中に呼吸が繰り返し止まり、低酸素状態や交感神経の活性化などによって高血圧と関連することが知られています。
「朝の血圧が高い」「高血圧の薬を飲んでも血圧が下がりにくい」という方で、いびきや無呼吸を指摘されている場合には、睡眠の状態について医師に相談することも大切です。
休日の「寝だめ」で睡眠不足は解消できる?
平日の睡眠不足を補うため、「土日は昼まで寝ています」という方も多いのではないでしょうか。
休日に平日より長く眠ること自体は、睡眠不足を補おうとする身体の反応とも考えられます。
一方で、平日と休日で起床時間が大きくずれる生活を続けると、体内時計が乱れ、日曜日の夜に眠れない、月曜日の朝に起きるのがつらい、といった状態につながることがあります。
「休日にたくさん寝ればいい」と考えて平日の睡眠を削るのではなく、できるだけ普段から必要な睡眠時間を確保することが基本です。
睡眠の質を高めるために意識したいこと
睡眠時間を確保するとともに、睡眠の質を整えることも重要です。
朝は光を浴びる
朝に光を浴びることは、体内時計を整えるために重要です。起床後はカーテンを開け、自然光を取り入れましょう。
日中に身体を動かす
適度な運動習慣は睡眠の改善にも役立ちます。ただし、就寝直前の激しい運動は眠りを妨げる場合があるため、自分の生活リズムに合わせて取り入れましょう。
寝室の環境を整える
寝室の光、温度、音なども睡眠に影響します。できるだけ自分が眠りやすい環境を整えることが大切です。
カフェイン・飲酒・喫煙を見直す
コーヒーやエナジードリンクなどに含まれるカフェインは、摂取する時間や量によって睡眠に影響することがあります。
また、「お酒を飲むと眠れる」という方もいますが、飲酒は睡眠の質を低下させることがあります。寝酒を睡眠改善の方法として習慣化することはおすすめできません。
7~8時間寝ても眠いのはなぜ?
十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、「毎日7時間以上寝ているのに眠い」「8時間寝ても疲れが取れない」「朝すっきり起きられない」という場合には、睡眠時間以外に原因がある可能性があります。
その一つが**睡眠時無呼吸症候群(SAS)**です。
睡眠時無呼吸症候群では、寝ている間に呼吸が止まったり浅くなったりすることを繰り返します。そのため、本人は長時間寝ているつもりでも、睡眠の質が低下していることがあります。
特に、大きないびきをかく、家族から無呼吸を指摘された、朝起きたときに頭痛がする、日中に強い眠気がある、朝起きても疲れが取れていない、高血圧を指摘されている、といった場合には、一度医療機関へ相談してみましょう。
芦屋ながさわ内科では、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療にも対応しています。
睡眠について病院に相談した方がいい目安は?
単に「昨日少し寝不足だった」というだけで、必ず医療機関を受診する必要があるわけではありません。
一方で、十分な時間寝ても強い眠気が続く、眠気によって仕事や日常生活に支障が出ている、いびきや無呼吸を指摘されている、夜中に何度も目が覚める状態が続いている、なかなか寝付けない状態が続いている、朝起きても休んだ感じがしない、といった場合には、睡眠の状態について医療機関へ相談することを検討してください。
よくある質問
睡眠時間は6時間で大丈夫ですか?
厚生労働省は、成人では6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することを推奨しています。
ただし、必要な睡眠時間には個人差があります。6時間寝ていても日中に強い眠気や疲労感がある場合には、睡眠時間が足りていない可能性があります。
理想の睡眠時間は7時間ですか?8時間ですか?
全員に共通する「理想は必ず7時間」「必ず8時間」という基準はありません。
睡眠時間だけでなく、日中の眠気や睡眠休養感などを含めて、自分に必要な睡眠時間を考えることが大切です。
5時間睡眠でも元気なら問題ありませんか?
成人では6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
短い睡眠が慢性的に続くことは健康リスクと関連するため、「慣れているから大丈夫」と決めつけず、睡眠時間を確保できる生活習慣を検討しましょう。
40代・50代は何時間寝ればいいですか?
厚生労働省は40代・50代だけに特定の睡眠時間を設定しているわけではありません。
成人として6時間以上を目安にしながら、日中の眠気や疲労感なども確認し、自分に必要な睡眠時間を確保しましょう。
8時間寝ても眠いのは病気ですか?
睡眠時間が十分でも、睡眠の質が低下している場合があります。
特に大きないびき、睡眠中の無呼吸、日中の強い眠気などがある場合には、睡眠時無呼吸症候群などが隠れていることもあるため、医療機関へ相談してください。
睡眠時間や日中の眠気が気になる方は芦屋ながさわ内科へ
必要な睡眠時間には個人差があり、「何時間寝れば絶対に健康」という一つの正解があるわけではありません。
成人では6時間以上を一つの目安としながら、「朝すっきり起きられるか」「日中に強い眠気がないか」「睡眠によって十分に休めた感覚があるか」という点も確認することが大切です。
特に、「7~8時間寝ているのに日中眠い」「家族からいびきや無呼吸を指摘された」「朝起きても疲れが取れない」「高血圧があり、睡眠についても気になっている」という方は、睡眠時無呼吸症候群などが隠れていないか確認することもあります。
芦屋ながさわ内科では、一般内科に加え、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療にも対応しています。睡眠や日中の眠気について気になることがある方はご相談ください。
記事監修
監修医師:長澤 圭典
・医学博士
・日本循環器学会 循環器専門医
・日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
・日本心血管カテーテルインターベンション学会 専門医
・日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士