胸の痛みの原因・検査・治療法について芦屋ながさわ内科が解説|胸の痛みのご相談は芦屋市の芦屋ながさわ内科
まずはセルフチェック!その胸の痛み、放置してはいけません
胸の痛みは、心臓や血管の病気のサインである場合があります。「少し休めば治まる」「以前から時々ある」といって様子を見ているうちに、症状が進むこともあります。以下の項目に、ご自身の症状があてはまらないかご確認ください。
● 胸の痛みセルフチェック
✓階段の上り下りや早歩きなど、体を動かした時に胸が圧迫されるような痛みを感じる
✓胸だけでなく、左肩・背中・あご・歯・腕などにも痛みが広がる
✓「締め付けられる」「押しつぶされる」ような痛みがある
✓胸の痛みとともに、冷や汗・吐き気・意識が遠のく感覚がある
✓これまで経験したことのない強い痛みが突然起こり、続いている
✓高血圧・脂質異常症・糖尿病・喫煙などにあてはまる
次の場合は、すぐに救急要請を
安静にしていても強い胸の痛みが続く場合や、冷や汗を伴う場合は、夜間・休日を問わず、ためらわずに救急(119番)へご連絡ください。
上記のような症状が気になる場合は、早めに医療機関へご相談ください。当院でも診療を行っています。

胸が痛む原因
胸のあたりには、心臓だけでなく、大動脈・肺・食道・肋骨・筋肉・神経など、さまざまな臓器や組織があります。そのため「胸の痛み」の原因はいくつも考えられますが、なかでも心臓や血管の病気は早めの確認が必要です。胸の痛みの原因は、大きく次の4つに分けられます。
心臓・血管の病気
狭心症、心筋梗塞、大動脈の病気など。命に関わる場合があるため、まず優先して確認します。
呼吸器(肺)の病気
気胸、胸膜炎など。呼吸に伴って痛みが変化することがあります。
消化器の病気
逆流性食道炎、胃潰瘍など。食後や横になった時に症状が出ることがあります。
筋肉・骨・神経の痛み
肋間神経痛など。特定の動作や圧迫で痛みが出たり、再現されたりすることがあります。
このように原因はさまざまで、ご自身での判断は難しいものです。気になる胸の痛みがある場合は、医療機関でご相談ください。
心疾患で胸が痛む理由
狭心症や心筋梗塞などで胸が痛むのは、心臓の筋肉に十分な血液が届かなくなることが関係しています。その仕組みを、順を追ってご説明します。
① 血液を必要とする心臓
心臓は全身に血液を送るポンプですが、心臓自身も動き続けるために酸素と栄養を必要とします。それを届けているのが「冠動脈(かんどうみゃく)」という血管です。
② 血管が狭くなることで起こる血液不足
動脈硬化で冠動脈が狭くなったり詰まったりすると、心臓の筋肉に届く血液が不足します。この状態を「心筋虚血(しんきんきょけつ)」と呼びます。
③ 痛みのもとになる物質の発生
血液が不足すると、心臓の筋肉で「痛みのもとになる物質」がつくられます。通常は血流に乗って流れていきますが、血液が足りない状態ではたまってしまい、神経を刺激します。これが胸の痛みとして感じられます。
つまり胸の痛みは、心臓が「血液が足りない」と発しているサインとも言えます。だからこそ、繰り返す胸の痛みは早めの確認が大切です。
胸以外の場所が痛む理由
「心臓は左胸にあるのに、なぜ肩やあごが痛むのですか?」というご質問をよくいただきます。これは「関連痛(かんれんつう)」と呼ばれる現象で、心臓の病気のサインが胸以外の場所に現れることがあります。
① 痛みの信号が伝わる仕組み
心臓が発した痛みの信号は、神経を通って脊髄(せきずい)へと伝わります。
② 信号が伝わる通り道の混線
脊髄の同じ高さには、左肩・腕・首・あごなどからの信号も集まっています。心臓からの信号が強いと、これらの通り道が混線することがあります。
③ 脳の勘違い
その結果、脳が心臓の痛みを「肩や腕の痛み」と受け取ってしまいます。心臓の病気で、胸だけでなく肩・あご・奥歯などが痛むことがあるのは、このためです。
歯や肩の痛みが、実は心臓のサインだったという場合もあります。原因のはっきりしない痛みが続くときは、一度ご相談ください。
胸の痛みの特徴
心臓が原因の胸の痛みには、特徴的な感じ方があります。皮膚をつねったような鋭い痛みとは異なり、鈍く重たい感覚として現れることが多いとされています。
心臓が原因のことがある痛み方
「重苦しい」「締め付けられる」「胸の上に重石を乗せられたよう」「漠然とした不快感」など、はっきりしない鈍い痛みや圧迫感。
心臓以外が原因のことが多い痛み方
「チクチク」「ズキズキ」といった鋭く局所的な痛み。指でさせる一点が痛むような場合など。
ただし痛みの感じ方には個人差があり、これだけで判断はできません。気になる胸の痛みがある場合は、自己判断せずにご相談ください。

心疾患以外で胸が痛くなる原因
胸の痛みで受診される方の中には、心臓以外の病気が原因のこともあります。当院では、まず心臓の病気の可能性を確認したうえで、次のような原因についても検討します。
逆流性食道炎(消化器の病気)
胃酸が食道へ逆流し、炎症が起こる病気です。食道は心臓のすぐ後ろにあるため、胸の中央あたりに「胸焼け」や「焼けるような痛み」を感じます。食後や横になった時に強くなるのが特徴です。
気胸・胸膜炎(肺の病気)
肺から空気が漏れる「気胸」や、肺を覆う膜に炎症が起こる「胸膜炎」も胸痛の原因になります。深呼吸や咳で痛みが強くなる場合は、肺の病気が考えられます。
肋間神経痛(神経の痛み)
肋骨に沿って走る神経が、背骨や筋肉に圧迫されて起こる痛みです。「チクチク」「ピリピリ」とした痛みが肋骨に沿って走ります。体をひねった時や、指で押した時に痛む場所がはっきりしていることが多いです。
帯状疱疹(皮膚・神経の病気)
過去に感染した水ぼうそうのウイルスが再び活性化して起こります。皮膚に発疹(水ぶくれ)が出る数日前から、胸や背中にピリピリとした痛みが出ることがあります。
心臓神経症(心因性)
検査をしても心臓などに異常が見つからないのに、胸の痛みや動悸を感じる状態です。ストレスや不安、過労などが関係するとされ、痛む場所が移動したり、長く続いたりすることがあります。
このように胸の痛みの原因はさまざまで、ご自身での判断は難しいものです。まずは心臓の病気かどうかを含めて、医療機関でご確認ください。
当院での検査体制
胸の痛みで大切なのは、心臓の病気かどうかを見きわめることです。ご自身での判断は難しいため、検査による確認が必要です。当院では、胸の痛みのある方に対して次のような検査を行う体制を整えています。
● 当院の検査体制
心電図検査
心臓の動きを電気信号として記録し、脈の乱れや心臓への負担のサインがないかを確認します。
心臓超音波検査(心エコー)
超音波で心臓の動きや壁の厚さ、弁の状態などを画面で確認します。体への負担が少ない検査です。
ホルター心電図(24時間心電図)
小型の機器を装着し、日常生活の中での心臓の動きを記録します。診察中には現れにくい、夜間や活動時の変化を確認できます。
血液検査
心臓の状態を反映する成分を調べ、心臓への負担の程度を確認します。
「この程度の痛みで受診してもよいのだろうか」とためらう必要はありません。軽い違和感の段階でも、気になる胸の痛みがあれば、我慢せずにご相談ください。
記事監修
監修医師:長澤圭典(ながさわよしのり)
【資格・所属学会】
- 医学博士
- 日本循環器学会循環器専門医
- 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
- 日本心血管カテーテルインターベンション学会専門医
- 日本心臓リハビリテーション学会心臓リハビリテーション指導士