2026年9月10日

「平日は6時間しか寝られないけど、休日に8~9時間寝ているから大丈夫」
そんな生活をしている方も多いのではないでしょうか。
仕事や家事で平日の睡眠時間が短くなると、
「土日にたくさん寝れば取り戻せる?」
「休日くらい昼まで寝てもいい?」
「平日6時間、休日8時間なら睡眠時間としては足りている?」
と気になりますよね。
結論からいうと、休日に長く眠ったからといって、平日の睡眠不足を完全に帳消しにできるわけではありません。
むしろ、休日に平日より何時間も遅くまで寝ている場合は、普段の睡眠時間が足りていないサインかもしれません。
一方で、「休日は絶対に平日と同じ時間に起きなければならない」というわけでもありません。
この記事では、
平日の睡眠不足は休日の寝だめで取り戻せるのか?
という疑問を中心に、休日にどのくらい寝るのがよいのか、睡眠不足を感じている方が見直したいポイントについて解説します。
この記事のポイント
・休日に長時間眠っても、平日の睡眠不足を完全に帳消しにはできません
・休日に何時間も長く寝る習慣は、平日の睡眠不足のサインである可能性があります
・休日だけ起床時間が大きく遅くなると、体内時計がずれやすくなります
・成人では、個人差を踏まえながら必要な睡眠時間を確保することが大切です
・「休日に何時間寝るか」よりも、平日の睡眠を確保することが重要です
平日6時間・休日8時間なら睡眠不足は取り戻せる?
「平日に足りなかった2時間を休日にプラスすれば、1週間で帳尻が合うのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、睡眠はお金の貯金のように、
「平日に10時間不足したから、休日に10時間追加で寝ればゼロになる」
という単純なものではありません。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、休日に睡眠時間を長くする、いわゆる「寝だめ」によって睡眠そのものをためることはできないとされています。
休日に長時間寝る必要がある状態は、
そもそも平日に必要な睡眠時間を確保できていない
可能性を考えるきっかけになります。
「平日6時間寝ているから十分」とは限らない?
必要な睡眠時間には個人差があります。
そのため、
「6時間なら全員不足」
「8時間なら全員十分」
というわけではありません。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人について、少なくとも6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。
ただし、重要なのは時間だけではありません。
たとえば6~7時間寝ていても、
・朝なかなか起きられない
・日中に強い眠気がある
・休日になると昼近くまで寝てしまう
・集中力が続かない
・起きても疲れが取れていない
といった状態が続いているなら、自分にとって睡眠が足りていない可能性があります。
「何時間寝たか」だけではなく、朝起きたときに休めた感覚があるか、日中に眠気で困っていないか
も確認してみましょう。
休日に10時間寝たくなるのは「寝不足のサイン」?
平日は6時間程度なのに、休日になると9時間、10時間と眠ってしまう。
このような場合は、平日に十分な睡眠を確保できていない可能性があります。
特に、
「目覚ましをかけなければ休日は何時間でも眠れる」
という状態が毎週のように続いている場合には、一度平日の生活を振り返ってみることをおすすめします。
もちろん、忙しい時期や一時的な疲労によって長く眠ることもあります。
問題なのは、
平日は慢性的に睡眠不足 → 休日にまとめて寝る
というサイクルが習慣になっている場合です。
休日に昼まで寝るのはダメ?
「休日くらい好きなだけ寝たい」
と思う方も多いでしょう。
たまにゆっくり眠ること自体を過度に心配する必要はありません。
ただし、
平日は朝6時に起きるのに、休日は11時や12時まで寝る
など、起床時刻が大きくずれる習慣には注意が必要です。
私たちの体には「体内時計」があります。
休日だけ睡眠時間帯が大きく後ろにずれると、体内時計と生活時間との間にずれが生じます。
これは「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」と呼ばれることがあります。
たとえば、
平日:23時30分就寝 → 6時30分起床
休日:2時就寝 → 11時起床
という生活をすると、休日だけ別の時間帯で生活しているような状態になります。
その結果、
「日曜の夜に眠れない」
「月曜の朝がものすごくつらい」
ということにもつながります。
寝だめするなら1時間?2時間?どのくらいまで?
「では休日は何時間までなら長く寝ていいのでしょうか?」
という疑問もあると思います。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、平日に6時間以上眠っている人について、休日の1時間程度の寝だめは寿命短縮リスクの低下と関連した報告が紹介されています。
一方で、平日の睡眠が6時間未満の方では、休日に長く寝ても十分にリスクを補えない可能性があり、また休日に2時間以上長く眠る習慣についても注意が必要とされています。
ただし、
「休日は必ず1時間以内にしなければならない」
という意味ではありません。
睡眠時間には個人差があります。
重要なのは、
休日に何時間寝るかを調整するより、そもそも平日に必要な睡眠時間を確保すること
です。
「寝だめ」と「少し長く寝る」は同じ?
ここは区別して考えましょう。
たとえば、
平日:6時間30分
休日:7時間30分
程度であれば、大きく生活リズムが変わるわけではありません。
一方で、
平日:5時間
休日:10時間
という生活が毎週続いている場合は、平日の睡眠不足が大きい可能性があります。
つまり、
休日に少しゆっくり寝ることが問題なのではなく、休日に何時間も追加で寝なければならない平日の生活
を見直すことが重要です。
土日にたくさん寝ても月曜日が眠いのはなぜ?
「土曜日も日曜日もたくさん寝たのに、月曜になると眠い」
という経験はありませんか?
その原因の一つとして、休日に生活リズムが後ろへずれてしまっていることが考えられます。
休日に遅くまで寝ると、その日の夜はなかなか眠くならなくなります。
すると、
休日の朝に寝坊する
↓
夜の寝つきが遅くなる
↓
翌朝も遅く起きる
↓
日曜日の夜になかなか眠れない
↓
月曜日だけ早起きする
↓
強い眠気を感じる
という流れになりやすくなります。
休日だからといって睡眠リズムを大きく変えすぎないことがポイントです。
平日の睡眠不足を減らすにはどうすればいい?
「分かっていても平日はなかなか寝られない」
という方もいるでしょう。
いきなり睡眠時間を2時間増やす必要はありません。
まずは生活の中で、睡眠時間を少しずつ確保できないか考えてみましょう。
1.まず30分早く寝てみる
毎日5~6時間しか眠れていない方が、いきなり8時間睡眠を目指すのは現実的ではないかもしれません。
まずは就寝時刻を30分程度早めてみる方法があります。
30分でも毎日積み重なれば、1週間では大きな差になります。
2.寝る直前のスマートフォンを見直す
「寝る時間がない」と思っていても、布団に入ってからスマートフォンを30分~1時間見ている方もいます。
SNSや動画を見ているうちに就寝時間が遅くなっている場合には、使い方を見直してみましょう。
3.休日も起床時間を大きくずらしすぎない
休日に少し長く眠ることはあっても、昼近くまで寝ることが習慣にならないようにしましょう。
朝起きて光を浴びることは、体内時計を整えるためにも重要です。
4.眠くなってから布団に入る
「明日は早いから、とりあえず早く布団に入ろう」
としても、眠くなければなかなか寝つけないことがあります。
長時間布団の中で眠れずに過ごすより、自分が眠くなるタイミングを把握することも大切です。
5.日中に適度に体を動かす
日中の身体活動も睡眠と関係しています。
ウォーキングなど、自分に合った方法で日中に体を動かす習慣を取り入れてみましょう。
昼寝をすれば睡眠不足を補える?
短時間の昼寝によって、午後の眠気を軽減できる場合があります。
ただし、
昼寝をしたから夜の睡眠時間を短くしてよい
というわけではありません。
また、夕方以降に長時間眠ってしまうと、夜の寝つきに影響することがあります。
日中に強い眠気があり昼寝が必要な場合には、長時間眠りすぎないことを意識しましょう。
「7時間寝ても疲れる」なら睡眠時間だけが問題ではないことも
睡眠については、「何時間眠ったか」だけではありません。
たとえば、
「8時間寝ているのに日中眠い」
「十分寝ているはずなのに朝すっきりしない」
「家族から大きないびきを指摘される」
「夜中に何度も目が覚める」
という場合には、睡眠の質が低下している可能性もあります。
特に、
・大きないびきをかく
・睡眠中に呼吸が止まっていると言われる
・朝起きたときに頭が重い
・日中に強い眠気がある
・高血圧を指摘されている
といった場合には、睡眠時無呼吸症候群などが隠れていることもあります。
「寝る時間を増やしているのに全然疲れが取れない」という方は、一度医療機関へ相談してみてもよいでしょう。
寝だめについてよくある質問
Q. 平日は6時間、休日は8時間寝ています。問題ありませんか?
睡眠時間には個人差があるため、この数字だけで問題があるかどうかを判断することはできません。
ただし、休日に長く寝ないとつらい、平日に日中の眠気が強いといった場合には、平日の睡眠時間が不足している可能性があります。
Q. 休日は何時まで寝てもいいですか?
「何時まで」という一律の基準はありません。
ただし、平日と休日で起床時刻が大きくずれると体内時計が乱れやすくなるため、生活リズムを大きく変えすぎないことが大切です。
Q. 1週間の平均睡眠時間が7時間なら大丈夫ですか?
単純に1週間の睡眠時間を合計して平均すればよいわけではありません。
平日に慢性的な睡眠不足があり、休日だけ長時間眠っている場合には、平日の睡眠時間を見直しましょう。
Q. たくさん寝た方が健康にいいですか?
睡眠は短すぎても長すぎてもよいとは限りません。
必要な睡眠時間には個人差があるため、自分に合った睡眠時間を確保し、日中の眠気や睡眠休養感なども確認することが大切です。
Q. 休日に10時間以上寝てしまいます。病気でしょうか?
一時的な疲労などで長く眠ることもあるため、それだけで病気とは判断できません。
ただし、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず長時間の睡眠が続く、日中にも強い眠気があるなどの場合には、睡眠の問題が隠れている可能性があります。
気になる場合には医療機関へご相談ください。
まとめ|「休日に取り戻す」より「平日に少しでも眠る」ことが大切
平日に睡眠時間が短いと、
「休日にたくさん寝れば取り戻せるのでは?」
と思いますよね。
しかし、休日の寝だめだけで平日の睡眠不足を完全に帳消しにできるわけではありません。
むしろ毎週休日に何時間も長く眠っている場合には、
「休日に寝すぎている」のではなく、「平日に寝足りていない」
可能性があります。
大切なのは、
平日は睡眠不足、休日にまとめて寝る
という生活を繰り返すのではなく、平日から自分に必要な睡眠時間を確保できるよう生活を調整することです。
また、十分な時間眠っているにもかかわらず疲れが取れない、日中に強い眠気がある、大きないびきや睡眠中の無呼吸を指摘されるという方では、睡眠時無呼吸症候群などが隠れていることもあります。
芦屋ながさわ内科では、生活習慣病や循環器疾患に加え、睡眠時無呼吸症候群についてもご相談いただけます。
「寝ても疲れが取れない」
「日中の眠気が強い」
「いびきや無呼吸を指摘された」
「高血圧があり、睡眠についても気になっている」
といった場合には、お気軽にご相談ください。
監修医師
監修医師:長澤 圭典
・医学博士
・日本循環器学会 循環器専門医
・日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
・日本心血管カテーテルインターベンション学会 専門医