2026年9月10日

「血圧を測ったら1回目は145、2回目は132。結局どっちが本当なの?」
家庭で血圧を測っていると、1回目と2回目で数値が違うことは珍しくありません。
「低い方を記録していい?」
「高い方を記録した方が安全?」
「何回も測って、一番低い値を使えばいい?」
と迷う方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、家庭血圧は原則として1回の測定機会に2回測り、その平均値をみる考え方が基本です。
「1回目だけ」「2回目だけ」のどちらかを都合よく選ぶのではなく、同じ条件で測定した数値を記録していくことが大切です。
また、血圧はもともと変動するものなので、1回目と2回目で多少違うからといって、すぐに異常とは限りません。
この記事では、
血圧は1回目と2回目、どちらを信じればいいのか?
という疑問を中心に、家庭血圧を測る回数や、測るたびに数値が違う理由について解説します。
この記事のポイント
・家庭血圧は、原則として1回の機会に2回測定し、その平均値をみます
・1回目と2回目の血圧が違うこと自体は珍しくありません
・低い方だけを選んで記録するのはおすすめできません
・何度も測り直して一番低い値を採用するのも避けましょう
・毎日できるだけ同じ条件で測ることが、血圧管理では重要です
血圧は1回目?2回目?どちらを信じればいい?
家庭で血圧を測ったとき、
1回目:145/88mmHg
2回目:133/80mmHg
のように数値が違うと、
「結局、自分の血圧は145なの?133なの?」
と思うかもしれません。
日本高血圧学会の家庭血圧測定では、1回の測定機会に原則2回測り、その平均をとる方法が示されています。
たとえば、
1回目:145/88mmHg
2回目:133/80mmHg
だった場合、上の血圧は単純平均すると139mmHgです。
どちらか一方を「正解」と考えるのではなく、2回の測定結果を合わせて血圧の状態をみるという考え方です。
なお、1回しか測定できなかった場合には、その1回の値を記録して構いません。
大切なのは、
「低い値が出るまで測り続ける」ことではなく、毎日同じルールで測ること
です。
なぜ1回目と2回目で血圧が違うの?
血圧は常に一定ではありません。
心臓が血液を送り出す力や血管の状態は、さまざまな要因によって変化しています。
そのため、数分の間でも血圧が変わることがあります。
1.測るときに緊張している
自宅であっても、
「今日は血圧が高かったらどうしよう」
と思いながら測ると、緊張によって血圧が上がることがあります。
1回目の測定で安心し、2回目には少しリラックスしているため、2回目の方が低くなるケースもあります。
2.測定前に十分安静にしていない
起きてすぐ動き回ったあとや、椅子に座ってすぐ血圧を測ると、高めに出ることがあります。
家庭血圧を測る際は、椅子に座って1~2分程度安静にしてから測定することが推奨されています。
3.姿勢が変わっている
1回目と2回目で、
・腕の高さが違う
・足を組んだ
・背中に力が入った
・会話をした
など、測定条件が変わることでも血圧に差が出る可能性があります。
4.血圧そのものが変動している
血圧には自然な変動があります。
そのため、正しく測定していても1回目と2回目がまったく同じ数字になるとは限りません。
数値が違うからといって、
「血圧計が壊れている」
と決めつける必要はありません。
1回目が高くて2回目が低いなら、2回目だけ記録していい?
おすすめできません。
たとえば、
1回目:152mmHg
2回目:136mmHg
となったとき、
「2回目の方が落ち着いて測れたから、136だけ記録しよう」
と思うかもしれません。
しかし毎回、低い方だけを選んでしまうと、実際より家庭血圧を低く評価してしまう可能性があります。
反対に、高い値だけを選ぶ必要もありません。
測定した値をルールに沿って記録することが大切です。
血圧手帳やアプリに2回分を記録できる場合は、それぞれの数値を残しておくと診察時にも参考になります。
何回も測れば、より正確になる?
「2回の数字が違うなら、3回、4回、5回と測った方が正確なのでは?」
と考える方もいるでしょう。
しかし、家庭血圧では低い数字が出るまで何度も測り直す必要はありません。
何回も測るうちに、
「まだ高い」
「もう一度」
「もう少し下がるかも」
と血圧測定そのものがストレスになってしまう場合もあります。
基本的には1回の測定機会に2回を目安とし、医師から別の指示がある場合にはその方法に従いましょう。
「一番低い血圧」を記録するのはダメ?
血圧を3回測って、
・148mmHg
・140mmHg
・132mmHg
だった場合、
「132が一番良いからこれを記録しよう」
としたくなるかもしれません。
しかし、この方法では家庭血圧を実際より低く見せてしまうことがあります。
血圧測定の目的は、
良い数字を出すことではなく、普段の血圧の状態を知ること
です。
高い数値が出ても、それ自体を失敗と考える必要はありません。
その日の血圧として記録し、数日から数週間の傾向をみていきましょう。
血圧は「1日の1回の数字」だけで判断しない
家庭血圧で重要なのは、ある日の1回だけの数値ではありません。
たとえば、
「今日だけ145だった」
という場合と、
「ここ1週間、毎朝145前後が続いている」
場合では意味合いが異なります。
血圧は、
・睡眠不足
・ストレス
・気温
・運動
・飲酒
・食事
・体調
などでも変動します。
そのため、日々の血圧を記録して、継続的な傾向をみることが重要です。
家庭血圧は朝?夜?いつ測る?
家庭血圧は、一般的に朝と夜に測定します。
朝の血圧
朝は、
・起床後1時間以内
・排尿後
・朝食前
・朝の薬を飲む前
・座って1~2分安静にした後
に測定するのが基本です。
夜の血圧
夜は、就寝前に座って1~2分程度安静にしてから測定します。
医師から別の測定タイミングを指示されている場合には、その指示に従ってください。
1回目だけ毎回高いのは問題?
1回目が高く、2回目になると下がるという方もいます。
その原因として、最初の測定時に十分安静にできていないことなどが考えられます。
まずは、
・測定前に座って1~2分安静にする
・会話をしない
・足を組まない
・腕を心臓の高さにする
・毎回同じ姿勢で測る
といった基本的な測定方法を見直してみましょう。
それでも、
1回目と2回目で毎回かなり大きな差がある
という場合には、血圧記録を持参して医療機関で相談してみるとよいでしょう。
測るたびに10~20mmHg違うのは大丈夫?
血圧は変動するため、ある程度の差が出ることはあります。
ただし、
「測るたびに大きく違うから、どの数字を信じればいいか分からない」
という場合は、まず測定方法を確認しましょう。
特に、
・カフの位置が毎回違う
・腕の高さが違う
・測定前の安静時間がない
・測定中に会話している
・血圧計が腕のサイズに合っていない
などがないか確認してください。
正しく測っているにもかかわらず大きな変動が繰り返される場合や、動悸・胸痛・息苦しさなどの症状を伴う場合には、医療機関へ相談しましょう。
高い血圧が出たら、すぐ測り直した方がいい?
普段より高い数値が表示されると、
「間違いかもしれない」
とすぐ測り直したくなる方も多いでしょう。
まず慌てず、座った状態で安静にしてください。
1回目の結果だけを見て強く不安になる必要はありませんが、同じ条件で2回目を測定し、その結果も記録しておきましょう。
ただし、非常に高い血圧が出ているうえに、
・強い胸痛
・突然の息苦しさ
・意識がおかしい
・手足の麻痺や力が入らない
・ろれつが回らない
・これまでにない激しい頭痛
などの症状がある場合には、血圧を何度も測り続けるのではなく、緊急の対応が必要になることがあります。
家庭血圧についてよくある質問
Q. 血圧は毎回2回測らないといけませんか?
家庭血圧では、1回の測定機会に原則2回測定し、その平均をとる方法が基本です。
ただし、1回しか測れなかったから意味がないということではありません。
1回のみの場合には、その測定値を記録しましょう。
Q. 1回目と2回目はどれくらい違っても大丈夫ですか?
血圧は自然に変動するため、多少の差が出ることはあります。
「何mmHg以内なら絶対に問題ない」と数値だけで判断するより、毎回同じ条件で測れているか、数日から数週間の傾向がどうかをみることが重要です。
Q. 2回の平均は自分で計算した方がいいですか?
血圧計やアプリによっては、自動で平均値を表示・記録できるものがあります。
自分で計算しても構いませんが、診察時には可能であれば元の測定値も残しておくと参考になります。
Q. 1回目より2回目の方が高いこともありますか?
あります。
血圧は常に変動しているため、必ず2回目が低くなるとは限りません。
大切なのは、高い方・低い方を選ぶことではなく、正しい条件で継続して測ることです。
Q. 血圧を測りすぎるのはよくないですか?
血圧測定そのものが直ちに体へ悪影響を与えるわけではありません。
ただし、数値が気になって何度も繰り返し測り、そのたびに不安が強くなるような場合には注意が必要です。
基本的な測定回数を決め、毎日の傾向を記録することをおすすめします。
まとめ|「1回目?2回目?」ではなく、2回の結果をみましょう
家庭で血圧を測ると、
「1回目と2回目、どっちが本当なの?」
と迷うことがあります。
しかし、血圧はもともと変動するものです。
家庭血圧では、原則として1回の測定機会に2回測り、その平均をみる方法が基本です。
大切なのは、
「低い方を選ぶ」ことでも「高い方を選ぶ」ことでもありません。
毎日なるべく同じ時間、同じ姿勢、同じ条件で測定し、数日から数週間の血圧の傾向を確認することが重要です。
芦屋ながさわ内科では、高血圧をはじめとした生活習慣病や循環器疾患について診療を行っています。
「測るたびに血圧が違って不安」
「家庭血圧をどう記録すればいいか分からない」
「家では高いのに病院では正常になる」
といった場合にも、家庭血圧の記録をお持ちいただき、お気軽にご相談ください。
監修医師
監修医師:長澤 圭典
・医学博士
・日本循環器学会 循環器専門医
・日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
・日本心血管カテーテルインターベンション学会 専門医