2026年9月03日

「頭が痛くて血圧を測ったら160あった」
「最近、頭痛がすると血圧も高い」
「後頭部が痛いのは高血圧のせい?」
「血圧180で頭痛があるけれど救急に行くべき?」
このようなことで不安になっている方もいるのではないでしょうか。
高血圧というと、「頭痛やめまいが出る病気」というイメージを持っている方も少なくありません。
しかし、通常の高血圧では自覚症状がほとんどないことが多く、頭痛があるから高血圧、頭痛がないから血圧は正常、と判断することはできません。
一方で、血圧が非常に高くなり、脳や心臓などに急性の障害が起きている場合には、強い頭痛などの症状が現れることがあります。
この記事では、高血圧と頭痛の関係や、「どのような頭痛なら注意すべきか」「血圧150・160・180の場合はどうすればよいか」など、受診の目安について解説します。
この記事のポイント
・高血圧は自覚症状がないことが多い病気です
・頭痛があるからといって、高血圧が原因とは限りません
・頭痛や痛みによって一時的に血圧が上がることもあります
・非常に高い血圧と激しい頭痛や神経症状を伴う場合は注意が必要です
・突然の激しい頭痛、手足の麻痺、ろれつが回らないなどがある場合は救急受診を検討します
・血圧が繰り返し高い場合は、症状がなくても内科・循環器内科へ相談しましょう
高血圧になると頭痛が起こる?
「高血圧=頭痛」というわけではありません。
厚生労働省や日本高血圧学会では、高血圧は自覚症状がほとんどないことが多いと説明しています。症状がないまま血圧が高い状態が続き、脳・心臓・腎臓などに負担をかけることがあります。
そのため、
「頭痛がしないから血圧は大丈夫」
「頭痛があるから高血圧に違いない」
という判断はできません。
頭痛には、片頭痛や緊張型頭痛など、高血圧とは直接関係しないさまざまな原因があります。
一方で、非常に血圧が高い状態になったときには、頭痛がみられる場合があります。
頭痛のせいで血圧が高くなることもあります
頭が痛いときに血圧を測り、
「普段は130なのに、今日は160ある」
と驚いた経験がある方もいるかもしれません。
実は、必ずしも
血圧が高い→頭痛が起きた
という順番とは限りません。
痛みや不安、緊張などによって交感神経が活発になることで、一時的に血圧が上がることがあります。
つまり、
頭痛が起きる→痛みや不安で血圧が上がる
ということも考えられます。
そのため、頭痛があるときに1回だけ高い血圧が出た場合には、血圧の数値だけで原因を決めつけることはできません。
症状が落ち着いた後や、普段の家庭血圧も確認することが大切です。
血圧150で頭痛がする場合は?
例えば、
血圧150/90mmHg+頭痛
という場合です。
診察室で上の血圧150mmHgは、高血圧の基準である140mmHg以上に該当します。
ただし、150mmHgだったことだけで「頭痛の原因は高血圧」と判断することはできません。
まずは、
・普段の血圧はどのくらいか
・頭痛はいつから始まったか
・突然起きた頭痛か
・いつもの頭痛と同じか
・吐き気や麻痺などはないか
を確認することが重要です。
頭痛が軽く、緊急性を疑う症状がなくても、普段から血圧150mmHg前後が続いている場合は、一度医療機関へ相談しましょう。
血圧160で頭痛がある場合は?
日本高血圧学会では、診察室血圧が
上の血圧160mmHg以上、または下の血圧100mmHg以上
の場合、医療機関への速やかな受診を勧めています。
そのため、
「最近、毎日160前後ある」
「頭痛がすると160を超える」
「健康診断でも160を指摘された」
という方は、症状が落ち着いていても一度受診してください。
特に、高血圧の治療をしているにもかかわらず160mmHg以上が続く場合には、現在の治療内容や生活習慣などについて確認する必要があります。
血圧180以上+頭痛は注意が必要です
上の血圧が180mmHg以上、または下の血圧が120mmHg以上という非常に高い血圧に加えて、脳・心臓・腎臓・大血管などに急性の障害が生じている状態を「高血圧緊急症」と呼びます。
重要なのは、
「180を超えたら全員が高血圧緊急症」というわけではない
という点です。
高血圧緊急症は、血圧の数字だけではなく、急性の臓器障害が起きているかどうかで判断します。日本高血圧学会のガイドラインでも、高度の血圧上昇に急性の臓器障害を伴うことが重要とされています。
一方で、血圧180mmHg以上に強い頭痛などの症状がある場合には、自己判断で長時間様子を見ることはおすすめできません。
こんな頭痛・症状がある場合は救急受診を検討してください
血圧が高いことに加えて、次のような症状がある場合には注意が必要です。
・突然起こった非常に強い頭痛
・今まで経験したことのない激しい頭痛
・片方の手足が動かしにくい
・顔の片側が動かしにくい
・手足や顔のしびれ
・ろれつが回らない
・言葉が出にくい
・意識がもうろうとする
・けいれん
・強い胸の痛み
・胸から背中にかけての激しい痛み
・強い息苦しさ
これらは、脳卒中や心臓病、大動脈の病気など、緊急性の高い疾患でみられることがあります。
厚生労働省も、重症高血圧に伴って頭痛、片側の手足の動かしにくさ、胸痛、息切れなどが突然出現した場合には、救急要請が必要となる可能性があるとしています。
このような症状がある場合は、血圧を何度も測り続けることよりも、救急受診を優先してください。
「後頭部が痛い=高血圧」は本当?
「高血圧だと後頭部が痛くなる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。
しかし、
後頭部が痛いという場所だけで、高血圧が原因と判断することはできません。
後頭部の頭痛にも、
・緊張型頭痛
・首や肩の筋肉の緊張
・片頭痛
・その他の頭痛
などさまざまな原因があります。
頭痛の場所だけで自己判断するのではなく、
・突然始まったか
・いつもの頭痛と違うか
・神経症状を伴っていないか
・血圧が非常に高くないか
などを確認することが重要です。
朝に頭痛がして血圧も高い場合は?
「朝起きると頭が痛く、血圧を測ると150くらいある」
という方もいます。
朝の血圧が繰り返し高い場合には、早朝高血圧が考えられます。
また、
・大きないびきをかく
・寝ている間に呼吸が止まっていると言われる
・朝起きても疲れが取れない
・日中に強い眠気がある
・朝に頭痛がある
といった症状がある場合には、睡眠時無呼吸症候群が関係していることもあります。
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中の低酸素状態や交感神経の活性化などを通じて高血圧と関連することがあります。
朝の血圧が高い状態が続く場合には、血圧だけでなく睡眠の状態についても医師へ相談するとよいでしょう。
頭痛があるとき、血圧はどう測ればいい?
頭痛がすると不安になり、短時間に何度も血圧を測ってしまう方もいます。
まずは椅子に座って1~2分程度安静にし、できるだけ落ち着いた状態で測定してください。
測定中は、
・会話をしない
・足を組まない
・腕を心臓と同じ高さにする
・身体を動かさない
ことがポイントです。
1回目が高かった場合にも、慌てず少し時間を置いて再度測定しましょう。
ただし、激しい頭痛や麻痺、胸痛などの緊急症状がある場合には、血圧測定を繰り返して受診を遅らせないでください。
頭痛が治れば高血圧も放置していい?
頭痛が治ったからといって、血圧の問題まで解決したとは限りません。
高血圧は症状がない状態でも続くことがあります。日本高血圧学会では、高血圧が将来の脳卒中、心臓病、腎臓病などのリスクを高めることを示しています。
例えば、
頭痛あり:160/95mmHg
頭痛なし:150/90mmHg
であれば、頭痛がなくなった後も血圧は高い状態です。
「症状がなくなった=血圧も大丈夫」と考えず、自宅で朝・夜の血圧を記録してください。
頭痛と高血圧は何科を受診する?
血圧が高い状態が続いている場合は、内科または循環器内科へ相談してください。
特に、
・家庭血圧が繰り返し高い
・上の血圧が150~160mmHg以上になる
・健康診断で高血圧を指摘された
・降圧薬を飲んでも血圧が高い
・糖尿病や脂質異常症もある
・動悸や胸痛、息切れもある
という場合には、血圧だけでなく心臓や血管のリスクも含めて確認することが大切です。
一方で、頭痛が主な症状で、血圧とは別の原因が疑われる場合には、症状に応じて他の診療科や医療機関での評価が必要になることもあります。
よくある質問
血圧が高いと頭痛がするのですか?
通常の高血圧は自覚症状がないことが多く、頭痛があるから高血圧が原因とは限りません。
一方で、非常に高い血圧に急性の臓器障害を伴う場合には、強い頭痛などが現れることがあります。
頭痛で血圧160あります。危険ですか?
160mmHg以上は医療機関への受診を検討したい血圧です。
ただし、緊急性については血圧の数字だけでなく、頭痛の程度や神経症状なども含めて判断します。
血圧180で頭痛があります。救急車を呼ぶべきですか?
180mmHg以上は非常に高い血圧です。
特に突然の激しい頭痛、麻痺、ろれつが回らない、意識障害、胸痛、強い息苦しさなどを伴う場合には、救急要請を含めた対応を検討してください。
頭痛がするときだけ血圧が高いのはなぜですか?
痛みや不安、緊張によって一時的に血圧が上昇している可能性もあります。
症状がないときの家庭血圧も測り、普段から高いかどうかを確認しましょう。
高血圧の頭痛はどこが痛くなりますか?
「高血圧なら後頭部」というように、痛む場所だけで高血圧が原因かどうかを判断することはできません。
頭痛の起こり方や他の症状を含めて評価する必要があります。
血圧が高く頭痛が気になる方は芦屋ながさわ内科へ
「頭痛がすると血圧も高い」
「最近150~160mmHgになることが増えた」
「朝に頭が痛く、血圧も高い」
「頭痛は治ったけれど血圧が高いまま」
という方は、普段の家庭血圧を確認してみましょう。
高血圧は、自覚症状だけでは判断できない病気です。
芦屋ながさわ内科では、内科・循環器内科として、高血圧をはじめとする生活習慣病について診療しています。
受診される際は、健康診断の結果や家庭血圧の記録があればお持ちください。
なお、突然の激しい頭痛や麻痺、意識障害、胸痛、強い息苦しさなど、緊急性が疑われる症状がある場合には、通常の外来受診を待たず、救急受診を検討してください。
記事監修
監修医師:長澤圭典
【資格・所属学会】
・医学博士
・日本循環器学会循環器専門医
・日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
・日本心血管カテーテルインターベンション学会専門医
・日本心臓リハビリテーション学会心臓リハビリテーション指導士