2026年9月05日

「体脂肪率25%は高い?」 「女性で30%を超えているけれど大丈夫?」
「BMIは正常なのに体脂肪率が高いのはなぜ?」
体重計や体組成計で体脂肪率を測る機会が増え、自分の数字が「正常なのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
体脂肪率とは、体重のうち脂肪が占める割合を示したものです。ただし、医療で肥満を判定する際に用いられるのは主にBMIであり、体脂肪率には全国共通の「正常値」が定められているわけではありません。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、体脂肪率は測定方法や機器、体内の水分量などによって変動するため、現時点では基準値は決まっていないと説明されています。
この記事では、体脂肪率の考え方、男性・女性の目安、BMIとの違い、家庭用体脂肪計を見るときの注意点について解説します。
この記事のポイント
・体脂肪率は、体重に占める脂肪の割合です
・医学的な肥満判定には、主にBMIが用いられます
・体脂肪率には、すべての人に共通する公的な「正常値」はありません
・厚生労働省の身体活動・運動に関する資料では、成人男性25%超、成人女性30%超を「脂肪過多」の目安として示した資料があります
・家庭用体脂肪計の数字は、水分量や測定時間などで変動します
・1回の数値より、同じ条件で測った「変化」を見ることが大切です
体脂肪率とは?
体脂肪率とは、体重のうち脂肪が何%を占めているかを表す数字です。
計算上は、
体脂肪率(%)=体脂肪量(kg)÷体重(kg)×100
で表されます。
例えば、体重60kgの方の体脂肪量が15kgであれば、体脂肪率は25%です。
身体の脂肪には、皮下脂肪や内臓脂肪などがあります。脂肪は身体にとって不要なものではなく、エネルギーの貯蔵や体温維持などにも関わっています。
そのため、「体脂肪率は低ければ低いほど健康」というわけではありません。
体脂肪率の正常値は何%?
ここは誤解されやすいポイントです。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、体脂肪率について現時点で統一された基準値は決まっていないと説明されています。
肥満の医学的な判定では、体脂肪率ではなくBMIが用いられます。
一方、厚生労働省の身体活動・運動に関する資料では、参考として、
・成人男性:体脂肪率25%を超える
・成人女性:体脂肪率30%を超える
場合を「脂肪過多」と評価する目安が示されています。
ただし、これは「25%・30%を1%でも超えたら病気」という意味ではありません。
測定方法や年齢、筋肉量なども考慮して見る必要があります。
男性の体脂肪率25%は高い?
成人男性では、25%を超えると脂肪過多の目安として扱われる資料があります。
ただし、家庭用体脂肪計で「25.1%」と表示されたからといって、すぐに病気と判断するわけではありません。
確認したいのは、
・体重も増えているか
・BMIが25以上か
・腹囲が増えていないか
・血圧が高くないか
・血糖や脂質を指摘されていないか
といった点です。
体脂肪率だけでなく、健康診断の数値を合わせて確認しましょう。
女性の体脂肪率30%は高い?
成人女性では、30%を超える場合を脂肪過多の目安としている資料があります。
一方、女性は男性より生理的に体脂肪率が高くなる傾向があります。
そのため、男性と女性を同じ数値で比較することは適切ではありません。
また、過度なダイエットによって体脂肪率を必要以上に下げようとすると、栄養不足や体調不良につながることがあります。
数字だけを見て極端な食事制限を行うことは避けましょう。
年代別の「正常値」はある?
「20代は○%、40代は○%、60代は○%」といった年齢別の体脂肪率表をインターネットで見かけることがあります。
しかし、医療で広く用いられる公的な年齢別正常値が定められているわけではありません。
年齢とともに筋肉量や体組成は変化しますが、体脂肪率の数字だけで健康状態を判断することはできません。
特に高齢者では、肥満だけでなく筋肉量の低下や低栄養にも注意が必要です。
BMIと体脂肪率は何が違う?
BMIは、身長と体重から計算する指標です。
BMI=体重(kg)÷身長(m)²
日本では、
BMI 判定
18.5未満 低体重
18.5以上25未満 普通体重
25以上 肥満
と分類されます。
BMIは計算しやすく、肥満の判定に広く使われています。
一方で、BMIだけでは「体重の中身」が分かりません。
例えば筋肉量が多い方は、体脂肪が多くなくてもBMIが高くなる場合があります。逆にBMIが普通体重でも、筋肉量が少なく体脂肪率が高い場合があります。
BMIと体脂肪率は、それぞれ異なる情報を見ていると考えましょう。
BMIは正常なのに体脂肪率が高いのはなぜ?
BMIは身長と体重だけで算出します。
そのため、同じ身長・同じ体重でも、
・筋肉量が多い人
・脂肪量が多い人
では体組成が異なります。
BMIが普通体重でも体脂肪が多い、いわゆる「隠れ肥満」と呼ばれる状態になることがあります。
ただし、「隠れ肥満」は家庭用体脂肪計の1回の測定だけで診断するものではありません。
腹囲や血圧、血糖、脂質なども合わせて確認することが大切です。
家庭用体脂肪計の数字は正確?
家庭用の体脂肪計では、多くの場合「生体電気インピーダンス法」が使われています。
身体に非常に弱い電流を流し、電気の通りやすさから体脂肪率を推定する方法です。
ただし、体脂肪率は、
・体内の水分量
・食事
・運動
・入浴
・測定時間
・機器の違い
などによって変動します。
そのため、「昨日22%だったのに今日は25%になった」といった短期間の変化が、そのまま脂肪が増えたことを意味するとは限りません。
体脂肪率はいつ測るといい?
家庭で記録する場合は、なるべく毎回同じ条件で測ることが大切です。
例えば、
・同じ体脂肪計を使う
・毎日ほぼ同じ時間帯に測る
・食事や入浴の直後を避ける
・数週間~数か月の変化を見る
などを意識しましょう。
「今日の数字」に一喜一憂するより、長期的な傾向を確認する方が実用的です。
体脂肪率を下げるには?
体脂肪率が気になる場合でも、急激な減量はおすすめできません。
生活習慣では、
・食事量や間食を見直す
・甘い飲料やアルコールを摂りすぎない
・歩く時間を増やす
・筋力トレーニングを取り入れる
・睡眠を確保する
など、継続できる方法から始めることが大切です。
高血圧、糖尿病、心臓病などで治療中の方は、運動や減量方法について医師へ相談してください。
体脂肪率より確認したい健康診断の項目
体脂肪率だけを下げることが健康管理の目的ではありません。
特に生活習慣病を考える際には、
・BMI
・腹囲
・血圧
・空腹時血糖・HbA1c
・LDL・HDLコレステロール
・中性脂肪
・肝機能
なども重要です。
体脂肪率が高く、これらの項目にも異常を指摘されている場合には、医療機関へ相談しましょう。
よくある質問
男性で体脂肪率20%は正常ですか?
体脂肪率には全国共通の正式な正常値はありません。厚生労働省の資料では成人男性25%超を脂肪過多の目安とする例がありますが、1回の数値だけでは判断できません。
女性で体脂肪率30%は太っていますか?
成人女性30%超を脂肪過多の目安としている資料があります。ただし、体脂肪計には測定誤差があり、BMIや腹囲、健診結果も含めて考える必要があります。
体脂肪率は低いほどいいですか?
いいえ。脂肪は身体に必要な組織でもあります。必要以上に体脂肪を減らすことを目標にするのではなく、健康状態全体を見ることが大切です。
体脂肪率が毎日変わるのはなぜですか?
家庭用体脂肪計は体内の水分量などの影響を受けます。毎回なるべく同じ条件で測り、長期的な変化を確認しましょう。
BMIと体脂肪率はどちらを見ればいいですか?
医療で肥満を判定する際にはBMIが基本です。ただしBMIだけでは筋肉と脂肪の割合までは分からないため、体脂肪率や腹囲なども参考になります。
体脂肪率や健診結果が気になる方は芦屋ながさわ内科へ
体脂肪率は健康管理の参考になる数字ですが、1回の測定値だけで病気を判断するものではありません。
BMI、腹囲、血圧、血糖、脂質などを合わせて見ることが重要です。
芦屋ながさわ内科では、高血圧・糖尿病・脂質異常症など生活習慣病の診療を行っています。健康診断で複数の項目を指摘された方や、体重管理について気になる方はご相談ください。
記事監修
監修医師:長澤 圭典
・医学博士
・日本循環器学会 循環器専門医
・日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
・日本心血管カテーテルインターベンション学会 専門医
・日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士