2026年7月31日

「立ち上がった瞬間、目の前が真っ暗になった」 「一瞬、意識が飛んでその場に座り込んでしまった」 「最近、立ちくらみの回数が増えてきて不安……」
芦屋市周辺にお住まいの皆様、こんにちは。芦屋ながさわ内科です。
一瞬でも意識が遠のく「失神」や、クラッとする「立ちくらみ」は、経験するととても不安になる症状です。多くの場合は横になればすぐに回復し、大事に至りません。しかし、その中には見逃してはいけない、心臓の病気が隠れていることがあります。
「失神は脳の病気では?」と思われがちですが、実は一時的な失神の多くは、心臓や血流の異常によって脳への血流が一瞬途絶えることで起こります。だからこそ、循環器専門医による見極めが重要なのです。
今回は、失神・立ちくらみの主な原因と、「様子を見てよいもの」と「すぐ受診すべき危険なもの」の見分け方について解説します。
失神と立ちくらみは、どう違う?
失神:一時的に意識を失い、姿勢を保てなくなった後、自然に意識が戻る状態を指します。
立ちくらみ:医学的には「前失神」とも呼ばれ、失神の一歩手前の状態です。立ち上がった際などに、目の前が暗くなったり、気が遠くなるような感覚を覚えます。
どちらも、脳に送られる血液が一時的に不足することで起こる、共通した仕組みを持っています。
失神・立ちくらみの主な3つの原因
失神の原因は大きく分けて3つのタイプがあります。
① 反射性失神(多くは良性)
最も多いのがこのタイプです。長時間の立ち仕事、痛み、強い緊張、満員電車の中などがきっかけで、自律神経のバランスが一時的に乱れ、血圧と脈拍が下がって失神します(血管迷走神経性失神)。
多くの場合、「気持ちが悪い」「冷や汗が出る」「目の前がかすむ」といった前兆があり、しゃがみ込むことで回避できることもあります。命に関わることは少ないタイプですが、転倒によるケガには注意が必要です。若い方から高齢の方まで幅広く見られ、寝不足や疲労が重なったときに起こりやすくなります。
② 起立性低血圧
急に立ち上がったときに血圧がうまく調整できず、立ちくらみや失神を起こすタイプです。脱水、貧血、加齢、糖尿病、あるいは血圧の薬などが影響していることもあります。「立った直後」に症状が出るのが特徴です。
③ 心原性失神(最も注意が必要)
心臓そのものが原因で起こる失神です。これが最も危険なタイプで、放置すると突然死につながることもあります。
不整脈:脈が極端に遅くなる(徐脈・房室ブロックなど)、あるいは危険なほど速くなる不整脈によって、心臓が十分な血液を送り出せなくなります。
心臓弁膜症:大動脈弁狭窄症など、心臓の出口が狭くなる病気では、運動時に脳へ血液が届かず失神することがあります。
心原性失神には、次のような特徴があります。
・前触れがなく、突然意識を失う
・運動している最中や、その直後に起こる
・失神の直前に、動悸や胸の痛み、息苦しさを感じる
これらに心当たりがある場合は、早急な受診が必要です。
こんな失神は、すぐにご相談ください
以下のようなサインがある場合は、危険な失神の可能性があります。我慢せず、循環器専門医へご相談ください。
・運動中・運動直後に意識を失った
・前触れ(めまいや吐き気)がまったくなく、突然倒れた
・失神の前に、激しい動悸や胸の痛みがあった
・心臓病を指摘されたことがある、または家族に突然死をされた方がいる
・失神を何度も繰り返している
これらは、心臓が「助けて」とサインを出しているのかもしれません。
芦屋ながさわ内科での検査
失神の難しさは、「診察している時には症状が出ていない」点にあります。そのため、当院では循環器専門医が、その一瞬を捉えるための検査を組み合わせて行います。
安静時心電図:心臓のリズムや電気信号の異常を確認します。
24時間ホルター心電図:手のひらサイズの機械を身につけて帰宅していただき、丸一日の心電図を記録します。日常生活の中で起こる脈の乱れを逃さずキャッチします。(→ 検査の詳細は「不整脈が心配なら何科に行くべき?」の記事もご参照ください)
心エコー(超音波)検査:失神の原因となる弁膜症や心臓の構造的な問題が隠れていないかを調べます。
これらの検査で「治療が必要な危険な失神なのか」「生活習慣の工夫で対応できるものなのか」を正確に見極めます。
失神・立ちくらみは「何科」に行けばいい?
「失神は脳の病気だから、脳神経外科?」と迷われる方が多くいらっしゃいます。もちろん、けいれんを伴う、意識が戻るまで時間がかかる、手足のしびれや言葉が出にくいといった症状を伴う場合は、脳の病気を考えて脳神経系の検査が必要になります。
しかし、一時的に意識を失ってすぐに回復するタイプの失神は、その多くが心臓や血流、自律神経の問題によるものです。脳出血や脳梗塞が原因の失神は、実はそれほど多くありません。
そのため、「前触れなく突然倒れた」「動悸や胸の症状を伴う」「運動中に起きた」といった失神は、まず循環器内科での評価が適しています。当院では循環器専門医が、危険な心臓の病気が隠れていないかを最優先で確認し、必要に応じて他の専門科と連携します。「どこにかかればいいか分からない」という段階でも、遠慮なくご相談ください。
日常生活でできる予防と対処
良性のタイプであれば、生活の工夫で予防できることも多くあります。
こまめな水分補給:脱水は立ちくらみの大きな原因です。特に夏場や入浴後は意識して水分を摂りましょう。
急に立ち上がらない:座った姿勢や寝た姿勢からは、ゆっくりと体を起こしましょう。
前兆を感じたらしゃがむ:目の前が暗くなる、冷や汗が出るなどのサインを感じたら、すぐにしゃがむか横になり、転倒を防ぎましょう。無理に立っていようとすると、そのまま倒れてケガをする危険があります。
失神したときの状況を記録する:いつ、どんな姿勢で、何をしていたときに起きたのか、前触れはあったのかをメモしておくと、診断の大きな手がかりになります。ご家族が目撃された場合は、そのときの様子(顔色、けいれんの有無、意識が戻るまでの時間など)も貴重な情報です。
まとめ:芦屋で失神・立ちくらみにお悩みなら
失神や立ちくらみの多くは心配のないものですが、中には心臓が原因の危険なものが隠れています。特に「前触れなく突然」「運動中に」意識を失った場合は、必ず一度ご相談ください。
芦屋市周辺で、意識が遠のく感覚や繰り返す立ちくらみに不安を感じている方は、芦屋ながさわ内科へお越しください。循環器専門医が、負担の少ない検査を通じて原因を突き止め、皆様が安心して過ごせるようお手伝いいたします。