2026年7月31日

「夕方になると靴がきつくなる」 「靴下のゴムの跡が、なかなか消えない」 「足が重だるくて、夜になるとパンパンに腫れている」
芦屋市周辺にお住まいの皆様、こんにちは。芦屋ながさわ内科です。
足のむくみは、多くの方が一度は経験する非常に身近な症状です。「立ち仕事だから」「年のせいかな」と、つい軽く考えてしまいがちですよね。確かに、その多くは一時的なもので心配いりません。
しかし、そのむくみが「なかなか引かない」「日に日にひどくなる」「片足だけ急に腫れた」という場合、その裏に心臓や血管の病気が隠れていることがあります。むくみは、時に体が発する大切なサインなのです。
今回は、循環器専門医の視点から、足のむくみが起こる仕組みと、「放置してよいむくみ」と「注意すべきむくみ」の見分け方について、分かりやすく解説します。
そもそも、なぜ足はむくむの?
私たちの体は、心臓のポンプの力によって血液が全身を巡っています。血液に含まれる水分は、通常は血管の中に保たれていますが、何らかの理由でこのバランスが崩れると、水分が血管の外側にしみ出し、皮膚の下にたまってしまいます。これが「むくみ(浮腫)」の正体です。
足は心臓から最も遠く、しかも重力の影響を受けやすい場所です。そのため、体の中で水分が余ってきたとき、真っ先に症状が現れやすいのが足首やすね、ふくらはぎなのです。
まずはセルフチェック。あなたのむくみはどのタイプ?
ご自身の足のむくみが、どのような状態かを確認してみましょう。原因を見極める大切な手がかりになります。
① 押すと、へこみが戻りにくい
すねのあたりを指で5秒ほど押してみてください。指を離してもくぼみがすぐに戻らない場合は、水分がかなりたまっている証拠です。心臓や腎臓が関係している可能性があります。
② 両足がむくむか、片足だけか
両足が同じようにむくむ場合は、心臓・腎臓・肝臓・甲状腺など、全身に関わる原因が考えられます。一方、片足だけが急に腫れて痛みや熱を伴う場合は、後述する血管の病気(血栓)の可能性があり、特に注意が必要です。
③ 一日のうち、いつむくむか
夕方になるほどひどくなるむくみは、心臓や静脈が関係していることがあります。逆に、朝起きたときから顔やまぶたまでむくんでいる場合は、腎臓など別の臓器の評価が必要になることもあります。
見逃してはいけない、危険なむくみのサイン
多くのむくみは生活習慣によるものですが、循環器専門医として「これは早めに受診してほしい」と考えるサインがあります。以下の項目に当てはまる方は、放置せずご相談ください。
【心臓が原因のむくみ】心不全のサイン
心臓のポンプ機能が低下すると、血液が心臓に戻りにくくなり、足に水分がたまります。これは心不全の代表的なサインの一つです。次のような症状を伴うときは注意が必要です。
以前は平気だった階段や坂道で、息が切れるようになった
横になると咳が出たり、息苦しくて起き上がってしまう
数日で体重が2〜3kg増えた(脂肪ではなく「水」がたまっているサイン)
芦屋には坂道が多く、「坂を上ると息が切れる」という変化に気づきやすい環境です。むくみと息切れが同時に出てきたら、心臓からのサインを疑ってみてください。(→ 心不全の初期症状については、当院の「心不全の初期症状を見逃さない」の記事もあわせてご覧ください)
【血管が原因のむくみ】片足だけの急な腫れに要注意
片足だけが急にむくみ、痛みや皮膚の色の変化を伴う場合、足の深い静脈に血の塊(血栓)ができる「深部静脈血栓症」の可能性があります。長時間の座りっぱなし(飛行機や長距離運転など)の後に起こりやすく、いわゆる「エコノミークラス症候群」もこれにあたります。
この血栓が肺に飛んでしまうと、命に関わる状態を引き起こすことがあります。「ただのむくみ」と自己判断せず、片足だけの急な腫れは早めに医療機関へご相談ください。
そのほかの原因も見逃しません
足のむくみは、心臓や血管以外にも、腎臓・肝臓・甲状腺の働き、あるいはお薬の副作用(一部の高血圧治療薬や痛み止めなど)が原因のこともあります。新しい薬を飲み始めてからむくみが気になった方は、自己判断で中止せず、まず医師や薬剤師にご相談ください。
芦屋ながさわ内科での検査と診断
足のむくみの原因は多岐にわたるため、「なぜむくんでいるのか」を正確に見極めることが何より大切です。当院では循環器専門医が、以下のような負担の少ない検査を組み合わせて原因を探ります。
丁寧な問診と診察:いつから、片足か両足か、時間帯、他の症状などを詳しくお伺いします。
血液検査:心臓・腎臓・肝臓の機能を確認します。特に心臓に負担がかかると上昇する「NT-proBNP」は、心不全の評価に役立つ重要な項目です。
心エコー(心臓超音波)検査:痛みなく、心臓のポンプの力や弁の動きをその場で確認できます。
「原因がはっきりして安心した」というだけでも、不安が大きく軽くなる患者様は少なくありません。
なぜ「循環器専門医」が足のむくみを診るのか
「むくみくらいで、循環器の専門医にかかるのは大げさでは?」と思われるかもしれません。しかし、足のむくみは全身の血液の巡りを映し出す鏡のような症状です。
心臓のポンプ機能、血管(動脈・静脈)の状態、そして血液が心臓へ戻る流れ——これらのどこかに不具合が生じると、足に水分がたまります。つまり、むくみを丁寧に診ることは、心臓や血管全体の健康状態を評価することにつながるのです。
当院のような循環器を専門とするクリニックでは、単に「むくみを取る」対症療法にとどまらず、「なぜむくんでいるのか」という根本の原因を、心臓や血管の視点から見極めます。特に、心不全や深部静脈血栓症のように放置すると命に関わる原因を見逃さないことが、専門医の重要な役割だと考えています。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病をお持ちの方は、心不全のリスクが高まります。「持病があって、最近むくみが気になる」という方は、一度ご相談いただくと安心です。
日常生活でできるむくみ対策
病気が原因でない場合や、予防のためには、日々のちょっとした工夫が効果的です。
足を高くして休む:就寝時にクッションなどで足を少し高くすると、水分が戻りやすくなります。
適度に体を動かす:ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と呼ばれ、血液を心臓へ押し戻すポンプの役割をします。芦屋川沿いのウォーキングなどがおすすめです。
塩分を控える:塩分の摂りすぎは水分をため込む原因になります。
まとめ:芦屋で足のむくみが気になったら
足のむくみは、ほとんどの場合は心配のないものですが、時に心臓や血管からの大切なメッセージであることがあります。特に「むくみが続く」「片足だけ腫れる」「息切れを伴う」場合は、一度専門的なチェックを受けておくと安心です。
「こんなことで受診してもいいのかな」とためらう必要はありません。芦屋市周辺で足のむくみにお悩みの方は、どうぞお気軽に芦屋ながさわ内科へご相談ください。循環器専門医が、その原因を丁寧に見極め、皆様が安心して毎日を過ごせるようサポートいたします。