2026年4月20日

芦屋市周辺にお住まいの皆様、こんにちは。芦屋ながさわ内科です。
健康診断の際、腕に帯を巻いて「ギュッ」と締め付けられる血圧測定。その場で数値を見て、「あ、今日はちょっと緊張したからかな?」「朝コーヒーを飲んだから高いのかも」と、自分自身に言い訳をしてしまった経験はありませんか?
血圧は、季節や時間帯、その時の感情によっても刻一刻と変化します。しかし、健診で「高血圧」や「要経過観察」と書かれた数値は、あなたの血管が発している「少しお休みが必要ですよ」という大切なサインかもしれません。
今回は、血圧の数値の見方と、放置することのリスクについて、循環器専門医の視点から分かりやすくお話しします。
血圧の「上の値」と「下の値」、それぞれ何を意味する?
血圧の数値は、よく「上が140、下が90」といった言い方をします。この2つの数値には、それぞれ重要な意味があります。
上の血圧(収縮期血圧)
心臓がギュッと縮まって、血液を全身に送り出した瞬間の圧力です。血管の壁に最も強い圧力がかかります。
加齢とともに血管が硬くなると(動脈硬化)、この数値が上がりやすくなります。
下の血圧(拡張期血圧)
心臓が膨らんで、血液を蓄えている時の圧力です。いわば「最低限ずっとかかり続けている圧力」です。
血管の「しなやかさ」が失われたり、末梢の細い血管が詰まり気味だったりすると、この数値が高くなる傾向があります。

注目していただきたいのは、「家庭での基準の方が、病院よりも5mmHg低く設定されている」という点です。リラックスしているはずの自宅でこの数値を超えている場合は、注意が必要です。
「白衣高血圧」と「仮面高血圧」をご存知ですか?
循環器専門医が診察の際、特にお話を伺うのが、測定する「場所」による数値の違いです。
白衣高血圧:
病院で測ると緊張して高くなるが、家では正常。
仮面高血圧:
病院では正常なのに、家や職場では高い。
実は怖いのは「仮面高血圧」の方です。病院での数値が良いために見逃されやすく、その間にも血管にダメージが蓄積されてしまうからです。「家で測ると時々高いんだよね」という方こそ、一度専門医による正確な診断を受けていただきたいのです。
なぜ「高血圧」は放置してはいけないのか(循環器専門医の視点)
血圧が高い状態が続くことを、私たちはよく「古い水道ホースに常に強い水圧がかかっている状態」に例えます。ホースがいつか破裂したり、硬くなってひび割れたりするように、人の体でも深刻な事態を招く恐れがあります。
高血圧は、心不全、心筋梗塞、脳卒中、そして腎臓病の最大の原因となります。
しかし、高血圧には「痛み」がありません。自覚症状がないまま血管を蝕んでいくため「サイレント・キラー(静かなる殺し屋)」と呼ばれます。
当院のような循環器専門クリニックでは、単に血圧を下げるだけでなく、「すでに心臓や血管に負担がかかっていないか」を、心電図や心エコー検査などで詳しくチェックし、将来の大きな病気を未然に防ぐことに注力しています。
芦屋ながさわ内科での「血圧との付き合い方」
「血圧が高い=すぐに一生薬を飲む」というわけではありません。当院では、患者様のライフスタイルに合わせたステップを大切にしています。
家庭血圧の正しい測り方アドバイス
まずは、本当の数値を知ることから始まります。正しい測定タイミングや姿勢など、スタッフが丁寧にお教えします。
減塩と食生活の工夫
芦屋の豊かな食卓を楽しみながら、無理なく塩分を控えるコツをご提案します。例えば、出汁の旨味を活用したり、カリウムを多く含む野菜を取り入れたりする方法です。
適切な運動習慣
心臓に負担をかけすぎない程度の、有酸素運動(芦屋川沿いのウォーキングなど)の取り入れ方を一緒に考えます。
もしお薬が必要な場合も、最近は「朝1回飲むだけ」で安定するものや、他の合併症(糖尿病や腎臓病)も一緒に守ってくれるような優れた薬が登場しています。