2026年4月14日

「コレステロールが高いから、卵は控えないといけないですよね?」
「毎朝のヨーグルトや牛乳、体に良さそうだけど実はダメ?」
スーパーで買い物をしている時、ふとそんな疑問が頭をよぎることはありませんか?
診察室で患者様とお話ししていて、最も多くいただく質問がこの「食事」についてです。かつては「卵は1日1個まで」と厳しく制限されていましたが、実は近年の医学研究によって、その常識は大きく変わりつつあります。
今回は、最新の栄養学に基づいた「コレステロールと食事の真実」と、それでも数値が下がらない場合に考えられる「食事以外の原因」について詳しくお伝えします。
卵は食べても大丈夫?最新の常識
結論から申し上げますと、「多くの人にとって、卵は1日1個(あるいはそれ以上)食べても、血中のコレステロール値に大きな影響は与えない」というのが現在の医学的な見解です。
なぜ「卵=ダメ」と言われなくなったのか?
以前は「コレステロールを多く含む食品を食べれば、そのまま血液のコレステロールが増える」と考えられていました。しかし、実際には体内のコレステロールの約7割〜8割は肝臓で合成されています。
食事から摂るコレステロールが増えると、肝臓が「今は足りているな」と判断して合成量を減らし、体内のバランスを一定に保つ仕組みが備わっているのです。
【注意点】
ただし、体質的にこの「調整機能」がうまく働かない方(高反応者)もいらっしゃいます。また、すでに数値が非常に高い方や糖尿病がある方は、やはり制限が必要な場合もあります。一律に「いくら食べてもOK」というわけではないため、自分の体質を知ることが大切です。
ヨーグルトや牛乳は?乳製品との付き合い方
健康に良いイメージがあるヨーグルトや牛乳。これらはタンパク質やカルシウムの貴重な供給源ですが、脂質の観点からは少し注意が必要です。
注目すべきは「飽和脂肪酸」
コレステロール値を上げる真犯人は、食品に含まれるコレステロールそのものよりも、実は「飽和脂肪酸」であることが多いのです。飽和脂肪酸は主に動物性の脂に多く含まれており、摂りすぎると肝臓でのコレステロール合成を促進してしまいます。
牛乳・ヨーグルト:「普通のもの」には飽和脂肪酸が含まれています。毎日たくさん摂る習慣がある方は、「低脂肪」や「無脂肪」のものに切り替えるだけで、数値が改善することがあります。
チーズ・バター:これらは脂質が凝縮されているため、コレステロールが高いと指摘された方は、嗜好品として楽しむ程度に控えるのが賢明です。
「食事に気をつけているのに高い」のはなぜ?
「揚げ物も控えているし、卵も食べていない。それなのになぜ数値が下がらないの?」
芦屋にお住まいの健康意識が高い方から、よくこのようなお悩みを伺います。実は、コレステロールが高い原因は食事だけではありません。
①加齢と女性ホルモンの変化
特に女性の場合、閉経前後でコレステロール値が急上昇することがあります。これは、悪玉(LDL)コレステロールの代謝を助けていた「エストロゲン(女性ホルモン)」が減少するためです。これは生理的な変化であり、ご本人の努力不足ではありません。
②遺伝的体質(家族性高コレステロール血症)
「体質的に肝臓でコレステロールを作りすぎてしまう」「血液中から回収するのが苦手」という遺伝的な要因を持っている方がいらっしゃいます。この場合、食事制限だけで数値を下げるのには限界があり、適切な治療が必要になります。
循環器専門医が提案する「あなただけの正解」
情報の溢れる現代では、「これを食べれば下がる」「これは食べてはいけない」といった極端な言説が目立ちます。しかし、大切なのは「あなたの体の仕組み」に合った対策を立てることです。
当院で大切にしていること
芦屋ながさわ内科では、以下のようなステップで、お一人おひとりの「高い原因」を探ります。
詳細なカウンセリング:どのような食習慣があるか、ご家族に心筋梗塞などを起こした方がいないか、丁寧にお聞きします。
体質に合わせたアドバイス:「卵を減らすべきタイプ」なのか、「運動やホルモンケアが必要なタイプ」なのかを見極めます。
無理のないプランニング:「あれもこれもダメ」ではなく、芦屋での美味しい食事を楽しみながら、健康を維持できるバランスを一緒に考えます。
食卓に安心を、毎日に健やかさを
卵や乳製品を「敵」にする必要はありません。大切なのは、正しい知識を持って、自分の体と対話することです。
もし、健康診断の結果を気にして「何を食べたらいいか分からない」と食事がストレスになってしまっているなら、ぜひ一度当院へご相談ください。
循環器専門医の視点から、血液検査の結果を詳しく分析し、あなたの将来を守るための具体的で優しいアドバイスをさせていただきます。
「まずは相談して安心する」。それが、健康な毎日への一番の近道です。