息切れ
息切れ
「最近、駅の階段を上るだけで息が上がる」
「重い買い物袋を持って歩くと、以前より疲れやすく、ハアハアしてしまう」
日常生活の中で、このような「息切れ」を感じることはありませんか?多くの方は、「最近運動不足だから」「もう年だから体力が落ちたんだ」と考え、そのまま様子を見てしまいがちです。
今回は、決して見逃してはいけない「息切れ」について、その原因や危険なサイン、当院での検査について解説します。
まずは、ご自身の症状を振り返ってみましょう。単なる体力低下と病的な息切れを見分けるポイントは以下の通りです。
「横になると苦しい(起座呼吸)」や「足のむくみ」を伴う息切れは、心不全の典型的かつ危険なサインです。早急に循環器内科を受診する必要があります。

そもそも息切れとは、体内の酸素が不足し、脳が「もっと酸素を取り込め!」と指令を出して呼吸回数を増やしている状態です。激しい運動の後に息が切れるのは正常な反応ですが、少し動いただけで息が切れる場合、酸素を運ぶルートのどこかに異常が起きています。
主な原因は大きく分けて3つです。
1.心臓の異常
全身に血液を送り出すポンプ機能が低下し、血液がうまく巡らず酸素不足になる。
2.肺の異常
酸素と二酸化炭素の交換がうまくいかない。
3.血液の異常(貧血)
酸素を運ぶ赤血球が足りない。
この中でも、特に高齢の方や生活習慣病をお持ちの方に多いのが、「心臓」が原因のケースです。
心臓が原因で起こる息切れには、主に以下のような病気が隠れています。
心臓のポンプ機能が弱まると、全身に血液を送り出せなくなります。すると、行き場を失った血液が心臓の手前にある「肺」にうっ滞(渋滞)してしまいます。これにより肺に水が染み出し(肺うっ血)、水の中で溺れているような状態になって、激しい息切れが生じるのです。「横になると苦しい」のは、重力によって下半身の血液が胸に戻り、肺のうっ血がさらに悪化するためです。
心臓の血管が狭くなったり詰まったりする病気です。典型的な症状は「胸の痛み」ですが、特に高齢者や糖尿病の患者様の場合、痛みを感じにくく、「動くと息切れがする」という症状だけが現れることがあります。「階段を上ると息が切れて胸が重くなるが、休むと治る」という場合は、狭心症の疑いが濃厚です。
脈が速くなりすぎたり、リズムが乱れたりすると、心臓が空回りして血液を送り出す効率がガクンと落ちます。その結果、動いた時に酸素不足になり、息切れを感じます。
内科では、心臓以外が原因かどうかも慎重に見極めます。
肺の病気
(COPD、気管支喘息など)
長年の喫煙歴がある方に多いのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)です。「咳や痰が出る」「呼吸をするときにヒューヒュー音がする」といった特徴があります。
貧血
全身に酸素を運ぶヘモグロビンが不足している状態です。息切れに加え、「立ちくらみ」「顔色が悪い」「爪が白っぽい」などの症状が見られます。
当院では、これらを総合的に判断し、原因を特定いたします。
「息切れの原因が心臓にあるのかどうか」を調べるために、当院では以下のような検査を行います。いずれも痛みはなく、外来ですぐに行えるものです。
心不全の診断に非常に重要な検査です。心臓に負担がかかると、心臓から「BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)」というホルモンが分泌されます。採血でこの数値を調べることで、「今、心臓がどれくらい悲鳴を上げているか(心不全の程度)」を客観的に数値化できます。
超音波を胸に当て、心臓の動きをリアルタイムで観察します。「ポンプの動きが悪くなっていないか」「弁に異常がないか」「心臓の筋肉が分厚くなっていないか」などを確認できるため、息切れの原因特定に不可欠な検査です。
肺に水がたまっていないか(肺うっ血)、心臓が肥大していないか、不整脈が出ていないかを確認する基本的な検査です。
「息切れ」そのものを止める薬はありません。息切れを引き起こしている「原因の病気」を治療することが、症状改善への唯一の道です。
心不全の場合
心臓の負担を取る薬や、体にたまった余分な水分を尿として排出させる利尿薬などを使用します。適切な治療を行えば、嘘のように息切れが楽になり、夜もぐっすり眠れるようになります。
狭心症の場合
薬物療法や、必要に応じてカテーテル治療が可能な専門病院への連携を行います。
重要なのは、「動けなくなる前に受診すること」です。「安静にしていれば治るだろう」と我慢して心不全が悪化すると、入院治療が必要になったり、心臓の機能が完全には戻らなくなったりするリスクがあります。
「年のせいだと思っていたら、実は心不全だった」これは、日常の診療でよく遭遇するケースです。
息切れは、体が酸素を求めているサインであり、心臓や肺などの重要臓器からの警告です。「昔より体力が落ちたかな?」と感じた時こそ、それが単なる加齢なのか、治療が必要な病気なのかをはっきりさせることが、健康寿命を延ばすことにつながります。
芦屋ながさわ内科では、循環器専門医が丁寧に診察し的確な診断を行います。階段の上り下りや、ちょっとした動作での息苦しさが気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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